遺伝子特許出願に対する三極特許庁の審査運用の違い(2)
■出典 http://www.jpo.go.jp/saikine/tws/sr-3-b3b_bio_search.htm
(以下の内容の詳細を知りたい場合には、上ホームページの英語原文を参照してください。)
■検討項目
・ホモロジーと特許性(有用性、実施可能要件、進歩性)
■結論
・低い相同性に基づいた機能または有用性は、具体的な機能、あるいは具体的、実質的かつ信頼性のある有用性 ( specific, substantial and credible utility )とはみなせない。
・高い相同性に基づいた機能または有用性は、具体的な機能、あるいは具体的、実質的かつ信頼性のある有用性を支持するのに十分である。
・JPO, EPOの判断では、高相同性の場合、発明は進歩性を有していない。一方、USPTOの判断では、高相同性を示しても、進歩性を有する。
■事例
記号の説明
JPO:日本特許庁、 EPO:欧州特許庁、 USPTO:米国特許商標庁
○:合格、 △:ケース・バイ・ケース、 ×:不合格
特記事項
有用性に関し、JPO, EPOでは産業上利用性と読み替える。
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事例1 [請求項1] 配列番号1に示すヌクレオチド配列からなる単離・精製されたポリヌクレオチド。 [発明の詳細な説明] 請求項に記載のポリヌクレオチドは、ヒト肝臓cDNAライブラリーから得た3000塩基のcDNAである。これは、配列番号2の1000個のアミノ酸からなる全長タンパク質をコードする。 ホモロジー検索を行ったところ、調査データベースには、配列番号1のヌクレオチド配列または配列番号2のアミノ酸配列と30%以上の相同性を示す配列は存在しなかった。 ホモロジー検索結果に基づいて、配列番号1は、新規なタンパク質(配列番号2)をコードする。 該タンパク質の具体的な機能は示されていないが、しかし薬剤スクリーニング法に使用できるかもしれない。 これらの方法によって確認される薬剤候補がどんな疾患や病気を治療できるのかは、開示されていない。 [先行技術調査結果] 先行技術調査では、配列番号1のヌクレオチド配列または配列番号2のアミノ酸配列と30%以上の相同性を示す配列は確認されなかった。 |
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有用性 |
実施可能要件 |
進歩性 |
総合 |
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JPO |
× |
× |
○ |
× |
|
|
EPO |
× |
― |
× |
× |
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|
USPTO |
× |
× |
○ |
× |
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(JPO) ・産業上利用性―発明が業として利用可能であれば、産業上利用性の要件を満たす。請求項に記載のポリヌクレオチドの有用性は、明細書に記載または示唆されていないので、発明を業として利用できない。 ・実施可能要件――物の発明の場合、物を作れ、かつ産業上利用可能であるように使用できる発明が、明細書に記載されている必要がある。事例1の場合、全長DNAによってコードされるタンパク質の機能の記載がなく、出願時技術常識からも導けない。したがって、発明の詳細な説明は、当業者が発明を実施するには不十分である。 ・進歩性―ヒト細胞ライブラリーからcDNAを入手することは、周知の行動である。しかし、配列番号1に示すポリヌクレオチドとの相同性が低いポリヌクレオチドが公開されているだけでは、請求項に記載のポリヌクレオチドを容易に得られるとする説明の理由には不十分である。 (EPO) ・産業上利用性―単離された配列の機能に関する情報が完全に欠如していることを考えると、商業的利用は明確でないし、推定もできない。 ・進歩性―請求項に記載されたヒトcDNAの具体的な技術効果が無い場合、すべての既知のcDNAを進歩性判断の先行技術とみなす。請求項のポリヌクレオチドにより解決される技術課題は、ヒトcDNAの提供のみであり、有用な特性は関係ない。定型のクローニング課題に沿って得られるcDNAを任意に選択することに進歩性はない。 (USPTO) ・有用性―特許法101条の有用性の要件を満足するためには、請求項に記載された内容が、具体的、実質的かつ信頼性(specific,
substantial and credible)のある有用性、または十分に証明された有用性(well-established
utility)の開示によってサポートされていなければならない。請求項に記載のポリヌクレオチドについて使える情報は、その配列と、ヒト肝臓ライブラリーから得たという事実のみである。推定される有用性は、ドラッグデリバリーシステムに使用できることのみである。すべての核酸はある薬剤のスクリーニングに使用でき、したがって、この有用性は具体的とみなせない。核酸(またはタンパク質)の性質に関する情報が無い場合、この核酸(タンパク質)がどんな条件で有用かを調べるために材料自体に関する追加実験を行う必要があるので、有用性は実質的と言えない。さらに、請求項の核酸は新規であるので、十分に証明された有用性が既存知識から与えられないことも自明である。 ・実施可能要件―特許法112条第1項の実施可能要件を満足するためには、明細書が、具体的、実質的かつ信頼性のある有用性のために、請求内容の作製方法と使用方法を一つ以上開示しなければならない。本件の場合、請求項発明の具体的かつ実質的有用性を何ら提供していない。したがって、開示は、当業者が本発明を過度の実験無しに使用する方法を教示していない。 ・進歩性―特許請求の範囲は、特定の核酸塩基配列(配列番号1)に限定されている。この核酸配列を予想させるものは従来技術にない。最も近い配列は、請求項に記載の配列との相同性が30%以下である。一応の自明性を証明するためには、当業者に特に遺伝子暗号の縮退からみて出願人と同一の源から請求項に記載の核酸を単離することを動機づけ、かつ同じタンパク質をコードする核酸でもその源によって変わり得ることを従来技術が示していることを、審査官が証明しなければならない。現状の分子生物学分野では、同一タンパク質をコードする分子間に有意な核酸配列多形があることが示されているので、従来技術が請求項と同一の配列を持つ核酸配列を単離させることを導いていない限り、審査官は、一応の自明性を証明できない。したがって、請求項に記載の核酸は発明時の当業者にとって自明であるとはみなせない。 |
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事例2 [請求項1] 配列番号3に示すヌクレオチド配列からなる単離・精製されたポリヌクレオチド。 [発明の詳細な説明] 請求項に記載のポリヌクレオチドは、ヒト肝臓cDNAライブラリーから得た3000塩基のcDNAである。これは、配列番号4の1000個のアミノ酸からなる全長タンパク質をコードする。 ホモロジー検索を行ったが、調査したデータベースには、配列番号3のヌクレオチド配列または配列番号4のアミノ酸配列と30%以上の相同性を示す配列はなかった。 しかし、配列番号4のアミノ酸配列のモチーフ調査は、配列番号4は、DNA結合タンパク質モチーフを含むことを示した。 ホモロジー検索結果に基づいて、配列番号3が新規なDNA結合タンパク質(配列番号4)をコードする。しかし、標的DNAは開示されていない。 タンパク質が薬剤スクリーニング法に使用できるかもしれない。 これらの方法によって確認される薬剤候補がどんな疾患や病気を治療できるのかは開示されていない。 [先行技術調査結果] 先行技術調査では、配列番号3のヌクレオチド配列または配列番号4のアミノ酸配列と30%以上の相同性を示す配列は確認されなかった。 |
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有用性 |
実施可能要件 |
進歩性 |
総合 |
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JPO |
× |
× |
△ |
× |
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EPO |
× |
― |
× |
× |
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|
USPTO |
× |
× |
○ |
× |
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(JPO) ・産業上利用性―請求項に記載のポリヌクレオチドの有用性が明細書に記載または示唆されないので、この発明を商業利用できない。 ・実施可能要件―一般に、ポリヌクレオチドがDNA結合モチーフを含むという条件だけで、このポリヌクレオチドが共通にDNA結合性を有するという必然性はない。したがって、請求項に記載のポリヌクレオチドによりコードされるタンパク質がDNA結合モチーフの存在に基づいてDNA結合性を有すると直に考えることはできない。さらに、具体的機能の異なるDNA結合タンパク質が多く存在することから、タンパク質の具体的機能を認識することができない。請求項に記載のポリヌクレオチドの機能は不明確であり、それをどのように使うのかも不明確である。したがって、このポリヌクレオチドを産業上利用可能な方法で使用することに関する記載がない以上、発明の詳細な説明は、当業者が発明を実施するには不十分である。 ・進歩性――ヒト細胞ライブラリーからcDNAを入手することは周知の行動である。しかし、配列番号3に示すヌクレオチドからなるポリヌクレオチドとの相同性の低いポリヌクレオチドが公開されているだけでは、請求項に記載のポリヌクレオチドが容易に得られるとする説明の理由には不十分である。一般に、一つのモチーフを形成するアミノ酸配列は、多くの不確かなアミノ酸を含む。しかし、DNA結合タンパク質のモチーフが特定の連続したアミノ酸配列を持ち、その配列をベースとするDNA結合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを得るのに有用なPCRプライマーを作ることが可能な場合には、プライマーを用いて請求項に記載のポリヌクレオチドを得ることは多分自明である。したがって、この発明は進歩性を有するとはみなされない。 (EPO) ・産業上利用性―DNA結合モチーフがタンパク質中に存在することは、タンパク質が実際にどのように機能するかを本質的に指摘したものではない。したがって、事例1に挙げた理由が当てはまる。 ・進歩性―事例1に同じ。 (USPTO) ・有用性―請求項に記載の核酸はDNA結合モチーフを含むタンパク質をコードする。タンパク質配列中に所定のモチーフのあることが、必然的にタンパク質が実際にそのモチーフと関係する機能を持つことを優位な証拠で確立するわけではない。 ・実施可能要件―事例1に同じ。 ・進歩性―事例1に同じ。 |
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事例3 [請求項1] 配列番号5に示すヌクレオチド配列からなる単離・精製されたポリヌクレオチド。 [発明の詳細な説明] 請求項に記載のポリヌクレオチドは、ヒト肝臓cDNAライブラリーから得た3000塩基のcDNAである。これは、配列番号6の1000個のアミノ酸からなる全長タンパク質をコードする。 ホモロジー検索を行ったが、調査したデータベースには、配列番号5のヌクレオチド配列または配列番号6のアミノ酸配列と30%以上の相同性を示す配列はなかった。 しかし、配列番号6のアミノ酸配列のモチーフ調査は、配列番号6は、VV1因子モチーフを含むことを示した。 ホモロジー検索結果に基づいて、配列番号5がVV1因子(配列番号6)をコードする。VV1因子が薬剤スクリーニング法に使用できるかもしれない。 これらの方法によって確認される薬剤候補がどんな疾患や病気を治療できるのかは開示されていない。 [先行技術調査結果] 先行技術調査では、配列番号5のヌクレオチド配列または配列番号6のアミノ酸配列と30%以上の相同性を示す配列は確認されなかった。VV1因子が十分に証明された有用性をもつことは常識になっている。 |
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有用性 |
実施可能要件 |
進歩性 |
総合 |
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JPO |
× |
× |
△ |
× |
|
|
EPO |
× |
― |
× |
× |
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USPTO |
△ |
△ |
○ |
△ |
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(JPO) ・産業上利用性―事例2に同じ。 ・実施可能要件――事例2に同じ。 ・進歩性―事例2に同じ。 (EPO) ・産業上利用性―VV1因子モチーフがタンパク質中に存在することは、タンパク質がVV1因子を行うことを本質的に指摘したものではない。したがって、事例1に挙げた理由が当てはまる。 ・進歩性―事例1に同じ。 (USPTO) ・有用性―タンパク質内にVV1モチーフのある場合にタンパク質がVV1因子であるという推定が十分にサポートされているならば、本発明は特許法第101条の有用性の要件を満たす。請求項に記載の核酸はVV1因子をコードし、かつVV1因子の有用性が十分に証明されているからである。当該技術がそのような関連性を提供していないなら、配列番号5によってコードされるタンパク質のVV1因子としての帰属は、具体的、実質的かつ信頼性のある有用性を支持するに十分でない。配列番号6のタンパク質がドラッグデリバリーシステムに使用できるという推定は、事例1に示すのと同じ理由で、具体的、実質的かつ信頼性のある有用性とはみなせない。 ・実施可能要件―配列番号6がVV1因子として受容されれば、当該分野の既存の知識に基づいて可能とされる十分に証明された有用性を有する。配列番号6がVV1因子として受容されないなら、事例1に示した理由で使用方法があるとみなされない。 ・進歩性―特許請求の範囲は、特別な核酸配列(配列番号5)に限定されている。従来技術にある配列では本発明を予期しない。先行技術開示がVV1因子を持つ別のタンパク質の存在が期待されることを教示せず、核酸をコードするVV1因子を出願人によって使用されたのと同一材料中で探そうとする動機な無い場合、配列番号5は非自明であると考えられる。 |
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事例4 [請求項1]配列番号7に示すヌクレオチド配列からなる単離・精製されたポリヌクレオチド。 [発明の詳細な説明] 請求項に記載のポリヌクレオチドは、ヒト肝臓cDNAライブラリーから得た3000塩基のcDNAである。これは、配列番号8の1000個のアミノ酸からなる全長タンパク質をコードする。 ホモロジー検索を行ったが、調査したデータベースには、配列番号7のヌクレオチド配列または配列番号8のアミノ酸配列と30%以上の相同性を示す配列はなかった。 しかし、配列番号8のアミノ酸配列のモチーフ調査では、配列番号8がUU1因子モチーフを含むことが示された。 配列番号8がUU1因子であることを当業者が認識するようなin silicoでの追加情報(例えば構造的情報)も提供されている。 ホモロジー検索結果に基づいて、配列番号7が新規なUU1因子(配列番号8)をコードする。 UU1因子が薬剤スクリーニング法に使用できるかもしれない。これらの方法によって確認される薬剤候補がどんな疾患や病気を治療できるのかは開示されていない。 [先行技術調査結果] 先行技術調査では、配列番号7のヌクレオチド配列または配列番号8のアミノ酸配列と30%以上の相同性を示す配列は確認されなかった。UU1因子が十分に証明された有用性をもつことは常識になっている。 |
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有用性 |
実施可能要件 |
進歩性 |
総合 |
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JPO |
○ |
○ |
△ |
△ |
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EPO |
△ |
― |
△ |
△ |
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USPTO |
○ |
○ |
○ |
○ |
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(JPO) ・実施可能要件―一般に、ポリヌクレオチドがUU1モチーフを含むという条件だけで、このポリヌクレオチドが共通にUU1活性を有すると必然的に言うことはできない。しかし、出願人は、さらに配列番号8のタンパク質がUU1因子であることを当業者が認識するようなin silicoの追加情報(例えば構造的情報)も提供している。したがって、このタンパク質はUU1因子である。そしてUU1因子が特定の機能を有する以上、請求項に記載のポリヌクレオチドの具体的機能は明確である。したがって、発明の詳細な説明は、当業者が実験結果で証明することなく発明を実施するに十分である。 ・進歩性―事例2に同じ。 (EPO) ・産業上利用性―新規に単離された配列と既知配列との相同性が30%と示されたのであれば、追加の情報が重要となる。構造的情報しか与えられない場合、機能は依然として推論にすぎず、産業利用性は事例1に挙げた理由によって否定される。 ・進歩性―UU1因子がヒトホモローグ(オルトローグ)を有し、UU1因子モチーフがUU1因子機能に不可欠であることが公知ならば、当業者にとって、モチーフ域からプライマーを設計し、ヒトcDNAライブラリーからUU1因子をクローニングすることは自明である。その場合には、進歩性は否定される。 (USPTO) ・有用性―ヒトUU1因子についての十分証明された有用性に関し、配列相同性が低い(30%)けれども、構造的情報は配列番号8のタンパク質がUU1因子であるという結論をサポートしている。さらに、従来技術調査によってUU1因子の有用性も証明されている。したがって、配列番号7の核酸配列がUU1因子をコードし、有用性も確立していることを疑う理由が無い以上、配列番号7の核酸配列は配列番号8のUU1因子タンパク質をコードする能力を有することに基づいて有用性要件を満たしている。 ・実施可能要件―配列番号8がヒトUU1タンパク質であり、その有用性も確立している。UU1因子ということであれば、当業者は、請求項に記載の核酸を用いてヒトUU1因子を作り、この因子を既存技術により支持される方法で使用することができる。 ・進歩性―事例3に同じ。 |
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事例5 [請求項1]配列番号9に示すヌクレオチド配列からなる単離・精製されたポリヌクレオチド。 [発明の詳細な説明] 請求項に記載のポリヌクレオチドは、ヒト肝臓cDNAライブラリーから得た2400塩基のcDNAである。これは、配列番号10の800個のアミノ酸からなる全長タンパク質をコードする。 既知のDNAおよびアミノ酸データベースを用いてホモロジー検索を行った。請求項に記載のポリヌクレオチドは、先行技術文献1〜23に記載のようなA,B,… V,Wで表される同族タンパク質ファミリーをコードするポリヌクレオチドと40〜50%の相同性を示した。配列番号10で示されるアミノ酸配列は、先行技術文献1〜23に記載のようなA,B,… V,Wで表される同族タンパク質ファミリーのアミノ酸配列と40〜50%の相同性を示した。タンパク質A,B,… V,Wは、タンパク質のZZファミリーに属する。 ホモロジー検索結果に基づいて、請求項に記載のポリヌクレオチドがZZファミリーの一員であるヒトタンパク質をコードし、ZZファミリーメンバーに関連する疾患や病気を持つ患者を治療するのに使用できる。ZZファミリーメンバーに関連する具体的な疾患や病気は開示されていない。 [先行技術調査結果] 先行技術調査では、配列番号9のヌクレオチド配列または配列番号10のアミノ酸配列と50%以上の相同性を示す配列は確認されなかった。タンパク質A,B,… V,Wが十分に証明された有用性をもつことは常識になっている。 しかし、請求項記載のポリヌクレオチドがZZファミリーの一員であるヒトタンパク質をコードするという結果に基づいた有用性は、十分に証明されていない。 |
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有用性 |
実施可能要件 |
進歩性 |
総合 |
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JPO |
× |
× |
△ |
× |
|
|
EPO |
× |
― |
× |
× |
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|
USPTO |
× |
× |
○ |
× |
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(JPO) ・産業上利用性―事例2に同じ。 ・実施可能要件―一般に、二つのポリヌクレオチドの相同性が低い場合、二つのポリヌクレオチドは共通した機能をもたないと言える。したがって、ZZファミリーの一員であるタンパク質をコードするポリヌクレオチドとの40〜50%の相同性のみに基づいて、請求項に記載のポリヌクレオチドによってコードされるタンパク質がZZファミリー活性を有するとは直に言えない。 また、具体的機能の異なるZZファミリータンパク質が多数存在する以上、このタンパク質の特定の機能は認識できない。したがって、このポリヌクレオチドを産業上利用可能な方法で使用することに関する記載がない以上、発明の詳細な説明は、当業者が発明を実施するには不十分である。 ・進歩性―一般に、当業者によって行われるハイブリダイゼーションの条件は厳格である。条件が緩やかであると、さまざまなポリヌクレオチドが得られることは出願時の常識である。したがって、請求項に記載のポリヌクレオチドと40〜50%相同性のポリヌクレオチドがあっても、請求項に記載のポリヌクレオチドを得るのは難しく、本発明は進歩性を有すると言える。しかし、ZZファミリーの一員であるタンパク質をコードするポリヌクレオチドを得られそうな場合(例えば、既知のタンパク質A〜Wの間で高い相同性の共通配列が判明し、または、その共通配列を開示しる文献が見出される)、本発明は進歩性を有するとは言えない。 (EPO) ・産業上利用性―タンパク質が一定のファミリーに属すると明確にしても、そのタンパク質の一定の機能を意味していない。しがたって、事例1に挙げた理由が当てはまる。 ・進歩性―事例1に同じ。 (USPTO) ・有用性―タンパク質を開示されたタンパク質ファミリーに関係する疾患や病気を治療するために使用することに関し、どんな疾患や病気であるのか開示していない。タンパク質は潜在的に薬剤として使用可能であるので、この有用性は、具体的とみなせない。具体的な疾患や病気が開示されていない以上、当業者は、治療薬として推定される用途を同定または十分に確認するために追加の実験を行う必要があり、したがってこの有用性は、実質的と言えない。 ・実施可能要件―請求項に記載の核酸またはそれによりコードされるタンパク質の具体的、実質的かつ信頼性のある有用性、あるいは十分に証明された有用性が開示されていないので、当業者は、請求項に記載の核酸を過度の実験無しには使用できない。さらに、明細書が配列番号10のタンパク質を用いて治療する可能性のある特有の疾患または病気を開示しても、タンパク質をどのように特有の治療方法に使うのかを支持する情報が必要である。 ・進歩性―事例1に同じ。 |
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事例6 [請求項1]配列番号11に示すヌクレオチド配列からなる単離・精製されたポリヌクレオチド。 [発明の詳細な説明] 請求項に記載のポリヌクレオチドは、ヒト肝臓cDNAライブラリーから得た2400塩基のcDNAである。これは、配列番号12の800個のアミノ酸からなる全長タンパク質をコードする。 既知のDNAおよびアミノ酸データベースを用いてホモロジー検索を行った。請求項に記載のポリヌクレオチドは、先行技術文献Aに記載のようなラットYY1因子をコードするポリヌクレオチドと55%の相同性を示した。 配列番号12で示されるアミノ酸配列は、先行技術文献Aに記載のようなラットYY1因子と55%の相同性を示した。 ホモロジー検索結果に基づいて、請求項に記載のポリヌクレオチドがヒトYY1因子をコードし、ヒトYY1因子に関連する疾患や病気を持つ患者を治療するのに使用できる。 YY1因子に関連する具体的な疾患や病気は開示されていない。 [先行技術調査結果] 請求項に記載のポリヌクレオチドは、ブタYY2因子をコードするポリヌクレオチドと45%の相同性を示し、サルYY3因子をコードするポリヌクレオチドと40%の相同性を示した。 配列番号14に示すアミノ酸配列は、ブタYY2因子と45%の相同性を示し、サルYY3因子と40%の相同性を示した。 YY1、YY2およびYY3因子は異なる機能を持つ。 先行技術調査では、配列番号11のヌクレオチド配列または配列番号12のアミノ酸配列と55%以上の相同性を示す配列は確認されなかった。YY1、YY2およびYY3因子が十分に証明された有用性をもつことは常識になっている。 |
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有用性 |
実施可能要件 |
進歩性 |
総合 |
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JPO |
× |
× |
△ |
× |
|
|
EPO |
× |
― |
× |
× |
|
|
USPTO |
× |
× |
○ |
× |
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(JPO) ・産業上利用性―事例2に同じ ・実施可能要件―一般に、二つのポリヌクレオチドの相同性が低い場合、二つのポリヌクレオチドは共通の機能をもたない可能性が高い。したがって、ラットYY1因子をコードするポリヌクレオチドとの55%の相同性のみに基づいて、請求項に記載のポリヌクレオチドによってコードされるタンパク質がYY1活性を有するとは、直に言えない。請求項に記載のポリヌクレオチドは、ブタYY2因子と45%相同性、サルYY3因子と40%相同性を示した。請求項に記載のポリヌクレオチドがブタYY2因子およびサルYY3因子をコードする可能性がある以上、タンパク質の特定機能を認識できない。したがって、このポリヌクレオチドを産業上利用可能な方法で使用することに関する記載がない以上、発明の詳細な説明は、当業者が発明を実施するには不十分である。 ・進歩性―事例5に同じ。 (EPO) ・産業上利用性―ラットYY1因子との55%相同性は、新たに単離されたタンパク質のYY1因子への帰属を、信頼をもって許すには低すぎる。機能要件を満足せず、したがって事例1に挙げた理由が当てはまる。 ・進歩性―事例1および4に同じ。 (USPTO) ・有用性―ヒトYY1因子タンパク質の十分証明された有用性に関して、問題は、配列番号11の核酸がYY1因子をコードするか否かである。 ・実施可能要件―事例5に同じ。 ・進歩性―事例1に同じ。 |
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事例7 [請求項1]配列番号13に示すヌクレオチド配列からなる単離・精製されたポリヌクレオチド。 [発明の詳細な説明] 請求項に記載のポリヌクレオチドは、ヒト肝臓cDNAライブラリーから得た2400塩基のcDNAである。これは、配列番号14の800個のアミノ酸からなる全長タンパク質をコードする。 既知のDNAおよびアミノ酸データベースを用いてホモロジー検索を行った。請求項に記載のポリヌクレオチドは、先行技術文献A、Bなどに記載のラットのような哺乳類WW1因子をコードするポリヌクレオチドと20〜30%の相同性を示した。 配列番号14で示されるアミノ酸配列は、先行技術文献A、Bなどに記載のラットのような哺乳類WW1因子と20〜30%の相同性を示した。 ホモロジー検索結果に基づいて、請求項に記載のポリヌクレオチドがヒトWW1因子をコードし、ヒトWW1因子に関連する疾患や病気を持つ患者を治療するのに使用できる。WW1因子に関連する具体的な疾患や病気は開示されていない。 [先行技術調査結果] 先行技術調査では、配列番号13のヌクレオチド配列または配列番号14のアミノ酸配列と40%以上の相同性を示す配列は確認されなかった。WW1因子が十分に証明された有用性をもつことは常識になっている。 |
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有用性 |
実施可能要件 |
進歩性 |
総合 |
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JPO |
× |
× |
△ |
× |
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EPO |
× |
― |
× |
× |
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USPTO |
× |
× |
○ |
× |
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(JPO) ・産業上利用性―事例2に同じ。 ・実施可能要件―事例5に同じ。 ・進歩性―事例5に同じ。 (EPO) ・産業上利用性―ラットWW1因子との20〜30%相同性は、新たに単離されたタンパク質のWW1因子への帰属を、信頼をもって許すには低すぎる。機能要件を満足せず、したがって事例1に挙げた理由が当てはまる。 ・進歩性―事例1および4に同じ。 (USPTO) ・有用性―事例6に同じ。 ・実施可能要件―事例5に同じ。 ・進歩性―事例1に同じ。 |
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事例8 [請求項1]配列番号15に示すヌクレオチド配列からなる単離・精製されたポリヌクレオチド。 [発明の詳細な説明] 請求項に記載のポリヌクレオチドは、ヒト肝臓cDNAライブラリーから得た2400塩基のcDNAである。これは、配列番号16の800個のアミノ酸からなる全長タンパク質をコードする。 ホモロジー検索を行って、請求項に記載のポリヌクレオチドがDNAリガーゼをコードするポリヌクレオチドと30%の相同性を有することが判明した。配列番号16と公知のDNAリガーゼのアミノ酸配列とを一列に並べることで、さまざまな公知のリガーゼの間に高度の配列保存があることが示された。配列番号16に示す配列の対応部分と公知のDNAリガーゼの共通配列との間の相同性は95%である。 共通配列に関して記載の相同性に基づいて、配列番号15はDNAリガーゼをコードする。 [先行技術調査結果] 先行技術調査では、配列番号15のヌクレオチド配列または配列番号16のアミノ酸配列と40%以上の相同性を示す配列は確認されなかった。DNAリガーゼが十分に証明された有用性をもつことは常識になっている。 |
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有用性 |
実施可能要件 |
進歩性 |
総合 |
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JPO |
× |
× |
× |
× |
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EPO |
× |
― |
× |
× |
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USPTO |
△ |
△ |
○ |
△ |
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(JPO) ・産業上利用性―事例2に同じ。 ・実施可能要件―一般に、二つのポリヌクレオチドの相同性が低い場合、二つのポリヌクレオチドは共通した機能をもたないと言える。そして、ポリヌクレオチドが共通配列と高い相同性示すという条件だけで、ポリヌクレオチドが特定の機能を有するとは直に言えない。したがって、既知のDNAリガーゼをコードするポリヌクレオチドと30%の相同性と示し、そして既知のDNAリガーゼの共通配列に示される共通配列と95%の相同性を示すことに基づいて、請求項に記載のポリヌクレオチドがDNAリガーゼ活性を有するとは直に言えない。 したがって、このポリヌクレオチドを産業上利用可能な方法で使用することに関する記載がない以上、発明の詳細な説明は、当業者が発明を実施するには不十分である。 ・進歩性―ヒト細胞ライブラリーからcDNAを入手することは周知の行動である。共通配列の部分ポリヌクレオチドをPCRプライマーに用いてWW1因子をコードするポリヌクレオチドを得ることにより、共通配列を有する一定のタンパク質をコードするヒトDNAを単離することも、出願時の常識である。なぜなら、同一の活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチドは一般に、哺乳類種間で相同性が高いからである。したがって、共通配列の部分ポリヌクレオチドをプライマーに用いて、ヒトDNAリガーゼをコードするDNAをヒトcDNAライブラリーから単離することは自明である。文献から有利な効果も認識できないので、進歩性を有するとみなせない。 (EPO) ・産業上利用性―共通配列の相同性が95%であっても、DNAリガーゼに対する全体の相同性が30%では低すぎる。新たに単離された配列の機能は、単なる推定に基づいており、有用性要件を満足しない。 ・進歩性―従来技術では、共通配列を共有するDNAリガーゼがいくつか存在することは公知である。当業者にとって、共通配列からプライマーを設計し、ヒトcDNAライブラリーからDNAリガーゼをクローニングすることは自明である。 (USPTO) ・有用性―配列の一部に公知のDNAリガーゼと95%相同性のあることが、配列番号16がDNAリガーゼであることを十分に証明していると当業者が考える場合、本発明の有用性は証明される。しかし、共通配列をDNAリガーゼの保存ドメインの指標であって、所定タンパク質のDNAリガーゼ帰属でないとみなす場合、配列番号16がDNAリガーゼであるかどうか疑う理由がある。 ・実施可能要件―配列番号16がDNAリガーゼをコードすることに疑う理由がない場合、当業者は請求項に記載の核酸を用いてDNAリガーゼを調製でき、しかもこのDNAリガーゼを当該分野に既存の知識によって支持される方法で使用できたのであるから、実施可能要件は満足される。しかし、配列番号15がDNAリガーゼをコードするとは十分に言えない場合、明細書は当業者が本発明を過度の実験することなく使用できるようになっていない。 ・進歩性―事例1に同じ。 |
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事例9 [請求項1]配列番号17に示すヌクレオチド配列からなる単離・精製されたポリヌクレオチド。 [発明の詳細な説明] 請求項に記載のポリヌクレオチドは、ヒト肝臓cDNAライブラリーから得た2700塩基のcDNAである。これは、配列番号18の900個のアミノ酸からなる全長タンパク質をコードする。 既知のDNAおよびアミノ酸データベースを用いてホモロジー検索を行った。請求項に記載のポリヌクレオチドは、先行技術文献Aに記載のXX1因子をコードするポリヌクレオチドと90%の相同性を示した。 配列番号18で示されるアミノ酸配列は、先行技術文献Aに記載のXX1因子と95%の相同性を示した。 ホモロジー検索結果に基づいて、請求項に記載のポリヌクレオチドがヒトXX1因子をコードし、ヒトXX1因子に関連する疾患や病気を持つ患者を治療するのに使用できる。 XX1因子に関連する具体的な疾患や病気は開示されていない。 [先行技術調査結果] 先行技術調査では、配列番号17のヌクレオチド配列または配列番号18のアミノ酸配列と50%以上の相同性を示す配列は、ラットXX1因子をコードするポリヌクレオチド配列またはXX1因子のアミノ酸配列以外に確認されなかった。 ヒトを含む哺乳類がXX1因子を持つことは周知である。XX1因子が十分に証明された有用性をもつことは常識になっている。 |
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有用性 |
実施可能要件 |
進歩性 |
総合 |
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JPO |
○ |
○ |
× |
× |
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EPO |
○ |
― |
× |
× |
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USPTO |
○ |
○ |
○ |
○ |
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(JPO) ・産業上利用性―新たに単離された配列は、当該技術分野で十分に証明された有用性を有するヒトXX1因子をコードすると認められる。 ・進歩性―ヒトを含む哺乳類がXX1因子のオルトローグを有することは、当該技術分野で周知である。プライマーを設計してヒトcDNAライブラリーからXX1因子をクローニングすることは、当業者にとって自明である。 (EPO) ・産業上利用性―新たに単離された配列は、当該技術分野で十分に証明された有用性を有するヒトXX1因子をコードすると認められる。 ・進歩性―ヒトを含む哺乳類がXX1因子オルトローグを有することは、当該分野で周知である。当業者がヒトcDNAライブラリーからXX1因子をクローニングするようにプライマーを設計することは、自明である。 (USPTO) ・有用性―ヒトXX1因子タンパク質についての十分証明された有用性に関し、配列番号18の核酸がXX1因子をコードするか否かが問題となる。配列番号17の核酸配列がヒトXX1因子タンパク質をコードすることを疑う理由はない。XX1因子タンパク質の用途が確立している以上、配列番号17の核酸配列は、ヒトXX1因子をコードすることが予期される限り、有用性は十分に確立されている。 ・実施可能要件―配列番号18がヒトXX1因子タンパク質であることに疑念はない。当業者は請求項に記載の核酸を用いてXX1因子タンパク質を調製でき、しかも、これを当該分野に既存の知識によって支持される方法で使用できた。 ・進歩性―事例1に同じ。 |
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事例10 [請求項1]配列番号19に示すヌクレオチド配列からなる単離・精製されたポリヌクレオチド。 [発明の詳細な説明] 請求項に記載のポリヌクレオチドは、ヒト肝臓cDNAライブラリーから得た2400塩基のcDNAである。これは、配列番号20の800個のアミノ酸からなる全長タンパク質をコードする。 ホモロジー検索を行ったところ、請求項に記載のポリヌクレオチドがDNAリガーゼをコードするポリヌクレオチドと80%の相同性を有することが判明した。 配列番号20と公知のDNAリガーゼのアミノ酸配列とを一列に並べることで、さまざまな公知のリガーゼの間に高度の配列保存が存在することが示された。 配列番号20に示す配列の対応部分と公知のDNAリガーゼの共通配列との間の全体相同性は95%である。 ホモロジー検索では、配列番号19がDNAリガーゼをコードする核酸と高い相同性を有することも確認された。 共通配列に関して記載の相同性に基づいて、配列番号19はDNAリガーゼをコードする。 [先行技術調査結果] 二番目に高い相同性は、α―アクチンとであり、相同性は50%である。DNAリガーゼが十分に証明された有用性をもつことは常識になっている。 |
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有用性 |
実施可能要件 |
進歩性 |
総合 |
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JPO |
○ |
○ |
× |
× |
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EPO |
○ |
― |
× |
× |
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USPTO |
○ |
○ |
○ |
○ |
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(JPO) ・実施可能要件―一般に、二つのポリヌクレオチドが互いに高い相同性と高い共通配列相同性を示す場合、具体的な機能を共通に有する可能性がある。したがって、請求項に記載されたポリヌクレオチドは、DNAリガーゼ活性を有する可能性がある。発明の詳細な説明は、当業者が本発明を実験結果で保証することなく行うのに十分である。 ・進歩性―タンパク質をコードするヒトDNAを調製することは、周知の行動である。共通配列の部分ポリヌクレオチドをPCRプライマーに用いてDNAリガーゼをコードするポリヌクレオチドを得ることにより、一定のタンパク質をコードするヒトDNAを単離することも常識である。なぜなら、同一の生理活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチドは、一般に、哺乳類種間で相同性が高いからである。したがって、DNA]リガーゼをコードする部分ポリヌクレオチドをプライマーに用いて、ヒトDNAリガーゼをコードするDNAをヒトcDNAライブラリーから単離することは自明である。出願時の常識から有利な効果も認識できないので、進歩性を有するとみなせない。 (EPO) ・産業上利用性―新たに単離された配列は、当該技術分野で十分に証明された有用性を有するDNAリガーゼをコードすると認められる。 ・進歩性―従来技術では、共通配列を共有するDNAリガーゼがいくつか存在し、そしてヒトcDNAライブラリーからDNAリガーゼをクローニングすることは公知である (USPTO) ・有用性―配列番号19の核酸がDNAリガーゼをコードすることを、当業者は受け入れるであろう。DNAリガーゼの用途が十分に証明されているので、配列番号19の核酸は、NAリガーゼをコードする限り、有用性が十分に証明されている。 ・実施可能要件―当業者は配列番号20がDNAリガーゼであることを受け入れるであろうから、そのタンパク質は、十分に証明された有用性を有する。当業者は、請求項に記載の核酸を用いてDNAリガーゼを調製でき、しかもこのDNAリガーゼを当該分野に既存の知識によって支持される方法で使用できた。 ・進歩性―事例1に同じ。 |
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